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阪本研究所 SK laboratory

「煌めく美の語り部、シノワズリと古九谷の調べ」

第1章: シノワズリの誘惑

17世紀後半、具体的には1660年代から1670年代にかけて、欧州の貴族たちが熱狂したのは、東洋趣味の極み、シノワズリの魅力でした。柿右衛門様式が欧州に持ち込んだ「濁し手」や特異なデザインは、まさに新しい時代の訪れを告げるようでした。これは単なる焼物ではなく、芸術の域に達していました。

 

 

シノワズリの根底には、東洋の神秘的な美意識が横たわっています。1660年代末から1670年代初頭にかけて、欧州の貴族たちは、その異彩に満ちたデザインに魅了され、自らの生活に取り入れることで、東洋文化への愛情を表現しました。これは単なる流行ではなく、異なる文化が交わる瞬間に生まれる美の新たな形態でした。

 

シノワズリは、17世紀後半の欧州社会において、ただの焼物を超えて「エキゾチックな美」の象徴となりました。柿右衛門様式の影響下で磨き上げられたその美は、時代の寵児として、貴族たちの心を鷲掴みにしました。

 

 

 

 

 第2章: 古九谷の息吹

古九谷様式は、日本の陶磁器のなかでも独自の美意識を誇ります。その根底に流れるのは、日本の風土と歴史の息吹。繊細な意匠と温かみのある色使いが、日本人の心に深く染み渡ります。

日本の自然や伝統文化が反映された古九谷様式は、柿右衛門様式の発展を経て、日本独自の美を追求した結晶です。その土地土地で異なる風土が育んだ工芸の中で、古九谷は独自の芸術性を発揮しています。

古九谷の焼物は、まさに芸術品とも言える存在です。その独特の意匠は、1670年代から1680年代にかけて、日本の四季や伝統に根ざしたものでありながら、現代にも通じる洗練された美を宿しています。歴史の中で培われてきた古九谷の技術と美意識は、今なお多くの人々に感動と共感を与えています。

 

 

第3章: 美の交わり、シノワズリと古九谷の融合

シノワズリと古九谷、異なる文化・美意識が交わり、新たな美の形態が生まれました。時代とともに進化し、絶え間なく変わる陶磁器の美。その中で、シノワズリと古九谷が出会った瞬間、美の新たな領域が切り開かれたのです。

 

異なる美意識の交わりは、両者の長所を引き立たせ、新たな価値を創造しました。シノワズリのエキゾチックで洗練されたデザインが、古九谷の温かみと伝統の息吹と融合することで、まったく新しい表現が生み出されました。

 

シノワズリと古九谷の融合は、陶磁器の歴史において美の新たなる旅路を切り開きました。二つの異なる文化が交わることで、陶磁器は常に進化し、新たな時代への扉を開いているのです。

 

 美の系譜をたどる旅

 

シノワズリと古九谷、それぞれの美が交わることで、陶磁器は歴史の一ページを彩ってきました。美の系譜を辿り、その中に広がる物語を感じながら、新たな美の発見に向けての旅に出かけませんか。